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「……ち、がぅ…」
「か、神谷さん?」
神谷さんはそっと立ち上がると俺の前まできてストンと座った
「…違、う……」
そう言って俺の服の袖をちょんと握る
――かかかかか、可愛いッ!!
「ぉの、くん?」
さっきまでの神谷さんからは考えれないほどデレデレ神谷さん……
「神谷、さん…」
「ん~?」
「俺と、付き合ってくれませんか?」
「ん、…」
――へっ?
まさかOKしてくれるなんてッ!!しかも、コクンッて頷いて……
「神谷さんっ!!可愛いすぎですッ!!」
ギューッと神谷さんを抱きしめる
さっきは逃げた神谷さんだけど今回はおずおずと俺の背中に手を回してぎゅっとする
――神谷さん…やっぱり、可愛い…
「ま、どんな神谷さんでも大好きですけど…」
「…ッ!!は、離れて!小野くんッ!!」
バッと俺から離れた神谷さんは相変わらず真っ赤なままな顔をしてまた部屋の隅に行ってしまった
「神谷さぁん…」
「僕に触らないで!!」
――Σ!!!??
「な、なんでですかぁ…」
それから神谷さんは本当に触らせてくれなかった
でも、神谷さんの家から帰るとき
「き、今日は…ぁりがと……」
そう言ってまた俺の服をちょんと握った
――この人は、狙っているんだろうか…
そんな神谷さんに不意打ちにキスをしてそそくさと帰った
翌日、同じ現場にいた神谷さんに帰り際、同じことをされてしばらく固まったまま動けなかったのは、また別の話……
End
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