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俺はその人の姿が見えなくなっても、暫くその人の行った方向を見つめていた。
「晃ー?」
裕也の一言で我に返り、俺は頭を掻いた。
「あ、わりぃ…。」
「さっきの人すっげぇ可愛かったな!?」
ちょっと興奮気味の裕也。
心なしか目がキラキラしているような。
「あぁ…。そうだな…。」
さっきの人…、何組だろ?
「…ところで晃、何部に入るんだっけ?」
忘れてた。
そういえばそんな話してたっけ。
上履きを取り出して、ばたんと下駄箱の戸を閉める。
そして裕也の方を振り返り、俺は答えた。
「剣道部だよ。」
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