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「モモスはお母様想いなのですねぇ」
半ば尊敬のような声にも聞こえたエロスの言葉にモモスは少し黙ると、声のトーンを少し下げて呟いた。
「……違うよ。僕は別に母は好きじゃない」
「…えっ?」
モモスの暗い表情に、エロスは戸惑いを見せた。
それに気づかないまま、モモスは言葉を続ける。
「僕1人だけをこの世に置き去りにして、勝手に死んでいった。僕の気持ちなんか、この人はわかってなかったのさ」
「……モモス…」
エロスの泣きそうな声にモモスはハッとする。
そして、「なんでもない」と言ってエロスに背を向けた。
「……わたし、ちょっとモロスのとこに行ってきますね…」
「うん」
エロスはモモスの背を見つめると、しゅんと落ち込みながら部屋を出て行った。
―――――また、人前で素直になれなかったや
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