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冷たい風が身にしみる季節の夜
葉を落とす木はどこか寂しそう
そんなことを思いながら
俺たちは秋の色の道を歩く
ふと
何かを呟き始めた
『鼠我野』という男
考え事をするときや、
なにか一つ質問すると
ああやってすぐに小さい声で呟き始めて
自分だけ納得して終わろうとする
それが、奴のクセ
だが、
今日は違った
何か、納得しきれない顔で
首を傾げている
ふと、鼠我野は急に振り返り
『ヒヨ』と、俺の名を呼んだ
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