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私は旅に出る 私を探しに 何処で生まれたのだろう? あの空に浮かぶ雲は何処までも行き、私を導く 何処まで行くのだろう? 水の流れ、風の音…それは何処までも続き、私を押してゆく 揺らめく緋色の光 強く大地を照らし、温もりを与え、私を助け、時に私の行く道を遮る 銀の風なびく夜の青 足をとられ動けぬ私を照らし、凍えを与え、私を泣かせ、時に私の行く道へと導く 遮るもの 導くもの すべてが重なり、交わり、道となってゆく 銀は消え、緑が広がってゆく ひび割れた大地は、潤いを取り戻してゆく 私という存在を探して 自分という存在を探して すべてが生気を取り戻し、動き出す 私は探す 私を探す 広がる大地を 動き出した世界を この足でしっかりと踏みしめながら
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