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「蓮。朝だよ」
朝っぱらから俺の部屋に響く兄貴の声
「うるさい……」
ふわりと舞う桃の香り
………兄貴の香水だ
「相変わらず寝起き悪いんだから」
その言葉と同時に体が浮いた
朝は嫌い。
眠いから。
いつも朝は兄貴が抱き上げて運んでくれる
俺は落ちないようにしっかり腕を回すと
また目を閉じる
眠い…
恐らく階段を降りてるのか
とんとんと、心地よいリズムが体に響く
あと何秒
動かないですむかな…
ああ、ほら、
睡魔が俺に向かっておいでおいでをしてるよ……
ぐっばい、現実
「蓮。ほら、ちゃんと立って」
「…っ…ぅん……」
ごめんよ睡魔、俺はそっちへは行けないみたい
よっこらせ、と言うように
もぞもぞと兄貴から降りると
少しよろけながら
リビングへと足を進めて、大きめの扉を開ける。
「お早う御座います。蓮。」
「…ぉはようございます…かあさん…」
挨拶はきちんとする。幼い頃から言われていた事だ。
…きちんとしてるのか?これ
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