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ダダダダダダダ………!!
「ッ……………ハア……ハア!!!」
「いたぞーっ!こっちだ!!!」
「ちっくしょう!!!ヤベェ!!」
髪をワックスではねさせた
前下がりボブヘアーの
少年は、そう吐き捨てると
狭い建物と建物の間に入って行った。
「っクソ!!!!!
ンなとこをコソコソと
ネズミみたいに入りやがって!
オイ!そっちから挟め!」
「「おぅ!」」
「ヤベェヤベェヤベェヤベェ!!
忙がねえと……!!」
少年は大きなカバンから
クシと黒ふちのだてメガネと
ブレザーを取り出した。
サッサッサ(髪をといで分ける音)
スチャ(メガネをかける音)
ビシッ(ブレザーの襟を伸ばす音)
よし…!!
コレなら!!!!
さっさと逃げよう!
タタタタタ………
ドンッッ!!!!!
「ってぇ…………!!
おぃテメェ!!!
何処見て歩いてんだ!!」
ヤベ!!!
さっそく見付かった!
ココは1つ演技で……
「……………あわわわわ………
す、すみません!!!
本当にすみませんっ!」
「っチ!おぃメガネ!!
ここらで髪がツンケンした生意気そうな
学ランのクソヤロー見なかったか!?」
「そ、そうゆう人なら
いまいま向こうの路地裏に
入って行きました……」
「おぃ!!向こうだ!行くぞ!!」
「「あぁ!」」
ダダダダダ……………
「………っ、ふ~…………
行ったか………。助かったぜ
いやー、騙されるモンだなあ~」
少年は調った髪をボサボサに戻し、かけていた黒ふちメガネを外した。
すると、あら不思議
さっきの追い掛けられていた
不良の少年に早戻り
持っている大きなカバンの
中から荒々しく携帯を取り出し、
アドレス帳のカ行[クソ親父]に電話をかけた。
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