戦いの幕開け

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何時間も祈っていた。 廊下から響く轟音が無くなって、メリクルは安堵すると共に、祈りに集中する。 およそ1日が経っただろうか。 メリクルの祈りは、一人の叫びによって止められた。 「メリクル様! これを!」 開けられた扉の所で戦う兵士の1人から、1枚の紙が渡される。 それよりも、気になることがあった。一度いなくなったはずの敵兵が、なぜここにいるのか。 「まさか、そんな……! に、兄さまは!? 兄さまはどうしたのですか!?」 しかし、味方の兵士は、目を伏せて言うだけ。 「それを、読んで下さい……!」 メリクルは涙を堪え、紙を開く。
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