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『メリクル。お前がこの手紙を読んでいるならば、もう俺の状況はよくないだろう。だから、よく聞いてほしい。この部屋は、壁のブロックを一つ押し込むと非常口が開くようになっている。そして、その先の剣を握れ。俺の戦いはもう終わりかもしれない。でも、死ぬつもりはない。それだけは覚えておいてほしい。お前の戦いはこれから始まる。この国のために強くあれ。そして、光を見いだせ。この戦いの先に。』
メリクルは走り出した。
涙で霞む視界の先をしっかりと見据え、非常口の先へと走る。
その先にあった神聖な剣を、躊躇なく引き抜いた。
今、彼女の戦いは始まった――
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