3人が本棚に入れています
本棚に追加
中に入ると、数人のお客さん相手に老夫婦が忙しそうに対応していた。
「黒胡桃の粉末と夢草の粉末じゃな。 少し待ってておくれ」
「13番の方。 スパイスの調合が終わりました」
(相変わらずの賑わいぶりだな。…待ってよ)
そう考えながら、部屋の隅にあるテーブルに座る。
それからしばらくすると、徐々にお客の数が減っていき俺の番になった。
「いらっしゃい。
おや、珍しいなお前さんがが来るとは」
俺に話しかけてきた老人は、少し驚いた口調で微笑む。 ちなみに、この老人こそがこの町で町長を任されているグリーさんだ。
「まぁ、此所に来るのは久しぶりだからね。
それよりも、この前頼んでいたスパイスを貰いに来たよ」
俺の言葉にグリーさんは、待ってろと言い残し奥の部屋へと歩いて行き、それから数分後、白い小袋を持ちながら戻って来た。
「ほれ、儂オリジナルの極上スパイスじゃ。 いつも、ライラちゃんにはお世話になってるからの」
白い小袋を渡された俺は、少し雑談をした後速やかに家に向かった。
最初のコメントを投稿しよう!