旅する者

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まだひと気の無い町を少年は歩いている。 しばらくすると、ある家の前で止まり吸い込まれる様に中に入って行った。 中に入ってみると、誰も居ない酒場らしく椅子がテーブルの上にきちんと列をなしている。 少年は、静かな酒場の真ん中まで歩き止まった。 「おはよう。 起こしちゃった?」 少年はそう言いながら、階段の方を見つめた。 「オーフィン。 また、"ケルダの森"に行ってたのね。 もう、行かないって私と約束したじゃない」 そこには、金髪の女性が立っていた。 「ごめんごめん。 ちょっと、会いたい奴がいたから会って来た」 オーフィンと呼ばれる少年は、女性の言葉を丸める様に流す。 「…しょうがないわね。 今から朝ご飯作るから部屋で待ってて。 出来たら呼ぶから」 そう言うと女性は、少し欠伸をしてカウンターの奥の部屋へと向かった。 オーフィンは、女性に言われた通り部屋に向かう為、階段を駈け登った。 辿り着いたのはドアの前、開けると太陽の日差しが部屋の中を明るく照らし始めた。
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