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「………やっと会えました。」
「私は会いたくなかったよ、六道骸。」
未来の私のことを見殺しにしたお前は、絶対に許さない。
そう言ってきつく僕を睨みつけてきた瞳の中にある憎しみは本物で。
これがあの男に作られた憎しみだと思うと、何だか笑えてくる。それに見殺し、とは少々あの男の作り話が過ぎる。
「何がおかしいの」
「いえ、10年後の貴女はもっと冷静だったなあと思いまして。」
これは嘘。目の前にいる娘と変わらず、すぐに感情を面に出して、素直じゃなかった。
…見殺しにした。というのは、沢田綱吉の任務に同行するのを止めなかっただけで。(しょうがないじゃないですか、僕だってこうなると予測していたら止めませんでしたよ)
何でもその任務の時に、沢田綱吉を庇って死ん、だらしい。
それをどうやって接触したかは知らないが(彼女だって沢田綱吉と一緒なはずですから。)、10年前から来た彼女に嘘を交え、更に大きく話したからだろう。僕が彼女を見殺しにしたということになっているのは。
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