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「目…覚めたか?うん?」
頬を染めて満足そうに
微笑み尋ねてくるデイダラ
とっくに目なんか覚めて
るっての…!!
とか内心叫びながらも
口には出さない。
というか言えない。
「…あぁ。」
素っ気なく短い返事を返す。
これでも精一杯の返事だ。
デイダラは俺を見るなり
クスクスと小さく笑っている。
こいつ…絶対ェ 俺で…
遊んでやがる…。
「…おい!デイダラ!」
イラついた俺はデイダラ
の胸ぐらをグイッと掴む。
デイダラは少しきょとん
としたが、取り乱すことなく
妖しく微笑みを浮かべる。
空気がズシッと重くなる。
そいつの微笑みに恐怖感を抱くほどに。
「旦那……また、夜な。」
耳元で小さく低く囁く。
背筋が悪寒でゾクリとする。
その時、俺は何か、鎖に
繋がれた気分になった。
そして、やっとこれから
のことを悟った。
俺は…あいつの…
人形になったんだ…
どう動くかは、あいつの…
操り次第。
糸を切る以外に、
自由はない。
逆らうことも…
抵抗するのも許されない…、
ただの物。
あいつの、
マリオネット
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