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同日午前10時
俺は式場に到着していた。
身内の人や他の仲間もすでに来ていた。
懐かしさに華を咲かせてみんなにぎやかに話している。
俺はその輪には加わらず、結婚するダチ、高村に会いに行った。
コンコン
「どーぞ」
ガチャッ
「おー‼来てくれたんかぁ」
『当たり前だろ(笑)初の晴れ舞台なんだしよ』
「サンキュー。あれ?そーいえば田村は?」
『あ~、アイツなんか大事な用ができたんだとよ。ダチの結婚式より大事な事なんかあんのかよなぁ?』
「まぁまぁ、アイツも忙しいんだよ。お前だけでも来てくれてマジ嬉しいし」
と言っていたが、少し残念そうだった。
それもそのはず、高村と田村は幼馴染みで、小、中、高と一緒だったらしい。
俺は小と中だけだったが、毎日一緒にいたくらいだった。
「じゃあ式は10時半からだからさ…もうすぐか。悪いんだけどさ、田村にもう一回電話して来てもらえないかな?スマン」
『そうだな。一番祝ってもらいたい奴だもんな。まかせろ(笑)強制で来させるわ』
そう言うと俺は部屋からでて、電話ができる所へ行った。
ピッピッピッピッ……
トゥルルルルル…トゥルルルルル…
ブッ、こちらは留守番電話サービスです…
『なんだ、留守電かよ、まぁいいや。田村、やっぱ来いよ。高村が一番祝ってもらいたい奴はお前なんだからよ、これ聞いたら電話しろよ、じゃあ』
ピッ
電話を切って式場に向かう。
俺は何かが胸につっかえていた。
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