86人が本棚に入れています
本棚に追加
声にならない悲鳴と言い表せない鈍痛。頭突きされたと分かったのはすこししてからだ。
仮にも慧音さんはワーハクタク。角が生えていなくとも、その頭突きはとてつもなく痛い。
「あ、わわ、あわわわ、わ」
私を見下ろす慧音さんの目つきが怖い。私は混乱して布団の上を這い蹲る。
「はい、朝食行くよ」
そんな私の足首を掴み、慧音さんは食堂へ引きずっていく。
「きゃー!きゃー!ぎゃー!」
はっと我に返った私は悲鳴を上げる。(仮にも慧音さんは私の命の恩人である)
慧音さんにそんな気は無いと思うのだが、命の危機を感じた私は必死に抵抗する、
その抵抗も空しく、私は食堂へと連れ去られた。
最初のコメントを投稿しよう!