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照りつける太陽の元、海沿いの道を歩く三人の人影がある。
その道は、握りこぶし程度の大きさの石を敷き詰めて造られたもので、容赦なく太陽熱を反射していた。
先頭を歩くのは、やや大きめの皮靴や紺色の半ズボンを身に付け、腰に剣を携えた少年である。年のころ十代半ばの彼は、暑さを少しでも軽減しようとしてか、上着の袖を出来得る限り巻くり上げている。
そんな彼の全身には大粒の汗が浮かび、額には否応なしに褐色の髪が張り付いている。
また、その蒼い瞳は虚ろで、上がり続ける気温に成長過程の体は付いていけていないようである。
少年の後に続くのは、気だるそうに歩く青年と、その少年を見守りながら進む女性。
二人の年齢は二十代前半で、それぞれの身長は少年より高い。
青年は、暑さで気力が無くなってしまったのか、脱いだ上着を荷物にまとめる事無く左手で掴んでいる。
また、青年が上着を脱いだことにより、彼の腕は完全に露出され、もともと白かった彼の肌は、照りつける光によって赤くなっていった。
彼は、脱いだ上着で何度も汗を拭っており、その上着には段々と染みが広がっていく。
そんな暑さの中、女性だけは比較的涼しい顔をしたまま歩き続けており、暑さを軽減する為か長い黒髪は後頭部で纏められている。
しかし、そんな彼女の表情とは裏腹に、細い首筋には幾度となく汗が伝い、徐々に背中や胸元を濡らしていった。その濡れた肌には衣服が張り付き、彼女の体の線を露わにしていく。
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