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十数分ほど歩いた頃、彼らは海岸に並べて建てられた小屋を見つける。
その小屋は、どれも木材を継ぎ合わせただけの簡易なもので、通気性を良くする為か壁には幾つかの穴が開いていた。
小屋の周囲には、薄手の洋服や水着を着た人々が沢山居り、多くの者達が海へ入って涼んでいる。
また、小屋の合間にはステージらしきものが有り、周囲に集まった人々は楽しそうにはしゃいでいた。
そんな光景を見たダームは、目を輝かせ疲れを忘れたかのように笑顔を浮かべる。彼は、笑顔を浮かべたまま勢い良く後方を振り返ると、嬉しそうに仲間の顔を見上げた。
「ねえ、砂浜に下りてみようよ。なんだか楽しそうだし」
そして、彼は自らの考えを告げると、首を傾げそのまま仲間の返答を待つ。
「そうだな。休めそうな場所も有るし、下りてみよう」
そう返すと、女性は優しく微笑み、小屋が建てられている海岸を一瞥する。
他方、彼女の返事を聞いた少年は直ぐに女性の手首を掴み、楽しそうに海岸へと下りていった。
「おいおい……俺は無視かよ」
それを見た男性は不服そうに声を漏らし、呆れた様な表情を浮かべつつも二人の後を追いかけていく。
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