魔法の使えない少年

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「お前は魔法の使えない親友に魔法を――「始め!」 凜の声を先生のスタートコールが遮った。 その瞬間。 「“BEGINNER,No.23”《雷槍(ライソウ)》」 凜に対して向けられた翔太の右手から雷の槍が発射された。 「うぉ!」 その槍を屈むことによってギリギリでかわした凜。 「あっぶねー……あんなのあたったら死んじまう……」 ホッとしたのもつかの間。 体に魔力を付加させているためにとてもはやいスピードで動くことのできる翔太。 それに対して魔法が使えないために高速では動くことのできない凜。 雷槍をかわした凜の目の前には、既に翔太が右の拳を振り上げていた。 それをバックステップでかろうじてかわした凜は、懐からなにやら魔法陣がかかれた紙を取り出した。 「あったまきた!……お前が本気でくるなら……こっちだって!」 凜はその紙を地面置いたかと思うとその紙に向かって両手を伸ばし、唱えた。 「《アイスグラウンド》……発動」 その瞬間、魔法陣が書いてある紙を中心に周りが凍りはじめた。 「これは……結構めんどくさいな……」 翔太は、周りが凍ってしまいスピードを出してしまうと滑ってしまい、上手く走れない。 「お前ほんと氷好きだな……性格わりー……」 悪態をつきながら徐々に凜に向かって行く翔太。凜はさらに魔法陣が書いてある紙を取り出す。
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