魔法の使えない少年

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「性格悪いは余計なんだよ!」 凜は先程とは違い、3枚空中に紙を投げた。 そして、唱えた。 「《ファイアアロー》、《アイスアロー》、《サンダーアロー》」 そして少し間をあけて、紙が凜の高さにきた瞬間、呟いた。 「発動」 その瞬間、さっきまでただの紙だったものが赤、青、黄色の3色の矢になって翔太に向かって飛んでいく。 「(あいつ魔法陣を書いた紙を常に持ち歩いてるのか?それに魔術の使い方は、なかなか……)」 先生がそんなことを考えている間にも試合は進む。 「あーもう!めんどくせー!“MIDDLE,No.32”《雷槍三連撃(ライソウサンレンゲキ)》」 3本の矢を雷槍で相殺した翔太が呟いた。 「“HIGH,No.28”《裁きの雷(ジャッチメントサンダー)》」 上級魔法を使った翔太。 それに対して凜は、 「ちょっと待って!?それ上級だよね!?俺魔力付加してないよ!?死んじゃうよ!?」 とても焦った表情で必死に翔太を説得しようとしていた。 「まぁなんとかなるさ。先生撃っていい?」 先生に許可を取ろうとした翔太。 「いいぞ、ただし手加減はちゃんとしろよ?」 まさかの即答で凜の危険が決定した。 「いっけー!!」 全力で凜に魔法を放った翔太。凜はうろたえている。 「ちょ……まってマジで!」 この後競技場に断末魔が響き渡ったのは、言うまでもない。 そして魔法を撃った本人は、 「あーすっきりした!」 上級魔法を使えて、スッキリした表情で、動かない凜を眺めていた。
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