魔法の使えない少年

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「高橋!お前がやったことだ、神永を医務室に連れていってくれ」 「うぃーす……」 嫌そうに返事をした翔太だったが凜を背負うと、そのまま校舎に消えていった。 そんな2人の様子を見ていた七海は疑問を抱いていた。 「(凜ってあんな魔術使えたんだっけ?)」 今まで凜の真面目に戦ったところを見たことのなかった七海。 さっきの模擬戦をみて七海は皆が落ちこぼれと言っていることが不思議になった。 確かに魔法は、使えないかもしれないが魔術は素晴らしかった。 魔術は戦闘などであまり使われないのにもかかわらず、魔法陣を使い戦った凜。 そんな凜を見て七海は、 「(やればできるんじゃない!)」 どこか嬉しそうな七海だった。 「七海?どうしました?」 「あ、琉奈なんでもないよ!」 七海と話している少女は、真田 琉奈(さなだ るな)この学年でもトップクラスの1人だ。 「そうですか……まぁ構わないですが、次私らしいので行ってきます」 「おー、いってらっしゃい!頑張ってね!」 琉奈が試合に向かってからずっと凜のことを考えていた。
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