鳥籠

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―鈴?ねぇ、鈴? まだ、鈴は僕の事気付いてくれないんだね… でも、怖がらないで! 僕は君の味方だよ。 だから…あれ…?鈴? もうすぐだから… もうすぐで会え…る…か…ら ガバッ 「はぁっ、はぁっはぁっ」 また、あの夢… 何時も、夢の中に出てくる…彼… 霧の中で何時も出てきては呼び掛ける… 何故だろう? 霧の中で顔が良く分からないけど… 何故か懐かしい匂い… コンコン 「鈴ちゃん?朝よ。起きなさい。学校に遅れるわよ!それに、せっかく作った朝御飯冷めちゃうわよ」 「…………………」 「鈴ちゃん?」 「…煩い!今、行く!」 「っ、分かったわ」 気安く、あたいの名前を呼ぶな! …あたいの名前は鈴音… 小さい頃、母親はあたいが3つの時に死んだ… 理由は今でも良く分からない… 何故、父は母の死を教えてくれないのか? 今でも謎… それから、あたいが小5で再婚… だけど、あたいは認めない! あたい…私のお母さんは私を産んでくれた… たった一人の女性だけだ! パタパタ、ガチャッ 「………」 「鈴音、起きたらちゃんと挨拶しろっと何回言ったらいいのだ!」 「………」 「パパ、良いわよ。それより、鈴ちゃん。朝御飯食べないと遅れちゃうよわよ」 「…いらない!…行ってきます」 「鈴音!」 バタン 「はぁ~」 「すまない…」 「謝らないで。それより、パパ。遅れちゃうわよ!お仕事!」 「っあ、あっ」 「行ってらっしゃい」 「行ってきます」
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