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「ハッピーバレンタイン!!」
リリはきれいに包装された箱をツバキにわたした。
「ありがとうございます…?」
受け取った箱を見ながらツバキは首を傾げた。
「あのね、今日はバレンタインなの。大好きな人にチョコをわたす日」
「大好きな人にチョコを……えっ…リリ様、僕に?」
驚くツバキにリリは大きく頷く。
ツバキの顔がみるみる赤くなる。
そして嬉しそうに笑って、もう一度お礼を言った。
「お姉ちゃんと一緒に作ったの。きっとおいしい」
ツバキみたいに料理は上手くないけど、気持ちはいっぱい詰めたから。
リリは微笑む。
「えぇ。大切に食べさせていただきます」
ツバキはチョコを抱きしめた。
「ホワイトデー。よろしく」
「えっ?」
「じゃあリリ、凜太郎にわたしてくるから」
去っていくリリを呆然と見つめるツバキ。
「僕だけじゃなかったんだ…」
がっくりと肩を落とす。
ホワイトデーって何?
end
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