小さなお話。

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それはある日曜日。 「凜太郎?」 「ん?」 不意に呼ばれ、俺は読んでいた本から顔を上げた。 そこには微笑むラックの姿。 俺のとなりに背中を向けるように座り、そのまま俺によしかかった。 「どうした?」 と聞けば 「なんでもない」 と笑う。 「凜太郎」 「何?」 「大好きよ」 「知ってる」 「凜太郎は?」 「んー」 言わなくてもわかるだろうに。 この彼女様はたまにこういったことを聞いてくる。 素直に気持ちを言えば 「どこが?」「どのくらい?」 などとしつこく聞いてくる。 だからこういう時は チュッ 「っ///」 こうすれば恥ずかしくなって何も言わなくなる。 自然と頬が緩む。 俺の気持ちだよ。 愛しの魔法使いさん。 end
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