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「蓮太郎ー」
「あ、リリお姉ちゃん」
ブランコから降り、まっすぐ私のもとにかけてきた。
前に会ったときより、ずいぶんと背が伸びていて。
「あのね、僕、この間のテストで一番だったんだよ」
すごいでしょ?と笑う。
私は頷いて微笑んだ。
「あのね、今日はお姉ちゃんにプレゼントがあるんだ」
そう言って蓮太郎は上着のポケットを探り始めた。
「うまく出来たかわからないけど・・・」
取り出したのは可愛らしいビーズのブレスレット。
「リリにくれるの?」
頷く蓮太郎。
「ありがとう。大切にする」
そう言うと、蓮太郎の表情はまるで花が咲いたかのように輝いた。
「お礼、しなきゃね」
「いいよ。お姉ちゃんが喜んでくれたらそれでいいんだ」
あなたの笑顔が
僕にとってのプレゼント。
ある日の死神と人間の子のお話。
end
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