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そして沙夜の存在は美沙にとっては大切な友達であり他の人達は誰1人として沙夜の事は知らなかった。父親である勇でさへも。沙夜の事は美沙と沙夜だけの秘密だった。
《美沙…学校は楽しい?》
美沙『まだわからないよ…でも私には沙夜がいるから大丈夫だよ』
《そうね…美沙は大切な友達》
美沙『私も沙夜が1番の大切な友達よ』
美沙は沙夜に太ももの紅い十字のアザを見せ 沙夜のスカートをめくり確認した。
《美沙は私…私は美沙だもん》
沙夜というフランス人形にも美沙と同じ場所に紅い十字のアザのような物があった。まるで美沙と沙夜を繋ぐ刻印のように。
鮮やかに紅く浮き上がった十字のアザは美沙と沙夜の心を強く繋ぐ刻印だった。
美沙『そろそろ お父さんが晩御飯を持ってくるからまた夜に話そうね沙夜』
《そうだね美沙…》
幼くして母親を亡くし孤独になった美沙にとって沙夜の存在は唯一無二の救いだった。
それを誰1人として知るよしもなかった。
次の日 何もなかったように勇に連れられ病院に行った結果は軽い捻挫。その後 勇に送ってもらい美沙は学校に行った。
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