オレンジ色のスコール(1)

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よっぽど頭の悪い人なんだって、思ってたら、 「あ、そっかそっか。俺、物覚え悪いからさぁ、すぐ忘れちゃうんだよね…。ごめんね、中村さん」 私の名札を見て、馴れ馴れしくそんな事を言ってきた。 「ちなみに、下の名前、何て言うの?」 「…物覚え悪いのに、教えても覚えられないんじゃないんですか?」 明らかにナンパだとわかった瞬間、私はそう言って返した。 これがどうやら、彼のプライドを傷つけたらしい。 すると、また次の日。 「すいませ~ん、あの…」 「602号室は、新館の6階になります」 「ブハハッ…まだ何も聞いてないのに。…ねえ、中村さんて、彼氏いるの?」 「…いませんけど、それが何か?」 「ホントにいない?」 「いません!」 「よかったぁ…じゃあさ、今度みんなで飲みに行こうよ!友達もそろそろ退院するから、そのお祝いに来てほしいんだけど…」 この話に、何よりも隣に座っている同僚が乗り気になってしまい…、 結局、3対3で飲みに行く事になってしまった。
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