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よっぽど頭の悪い人なんだって、思ってたら、
「あ、そっかそっか。俺、物覚え悪いからさぁ、すぐ忘れちゃうんだよね…。ごめんね、中村さん」
私の名札を見て、馴れ馴れしくそんな事を言ってきた。
「ちなみに、下の名前、何て言うの?」
「…物覚え悪いのに、教えても覚えられないんじゃないんですか?」
明らかにナンパだとわかった瞬間、私はそう言って返した。
これがどうやら、彼のプライドを傷つけたらしい。
すると、また次の日。
「すいませ~ん、あの…」
「602号室は、新館の6階になります」
「ブハハッ…まだ何も聞いてないのに。…ねえ、中村さんて、彼氏いるの?」
「…いませんけど、それが何か?」
「ホントにいない?」
「いません!」
「よかったぁ…じゃあさ、今度みんなで飲みに行こうよ!友達もそろそろ退院するから、そのお祝いに来てほしいんだけど…」
この話に、何よりも隣に座っている同僚が乗り気になってしまい…、
結局、3対3で飲みに行く事になってしまった。
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