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「そういえば貴方、名前は?」
「あ……ダラ、ΩDARAです」
とっさにハンドルネームを答えてしまった、まぁ、実際ここにいるのはΩDARAなわけだし、これが一番の返答なような気もする。
「ダラね……さて、ダラ、貴方に頼みたいことがあるの、いいかしら?」
何だろう、と思いつつも命の恩人である、全身全霊をもって応えるべきだろう。
「勿論です、なんでしょうか?」
「さっきの貴方の技……スキルというらしいけど……しばらくここに居て、私にその力を見せて欲しいのよ」
お安い御用である、というかここを出てもどこに行くわけでもない、こちらにとっても都合がいい。
それにアリスとひとつ屋根の下だウヘヘヘヘヘヘ(爆
「構いません、行くところもないですし」
突然、こつんと後頭部に何かが当たる。
見れば、大きな書物を持った先ほどの上海人形であった。
そこで必至に羽を動かして停止飛行している、どうやら本を届けてくれたらしい……。
俺、本なんて持ってたっけ?「ん……?これは……っ!」
兵士手帳であった、この世界以外の書物、見慣れたそれに早くも懐かしさを感じ、ページを開く。
そこには、予想外の文章があった。
アリスが横からこちらを覗き、上海が疲れたように羽を動かすのを止め、俺の頭の上にちょこんと乗る。
「巨大クリスタルがない場所での、クリスタル採取……?」
何だ、この俺用裏技は。
そこにはまず“地面を掘ってクリスタルの欠片を集める方法”そして“空中のクリスタルの採取”などが記載されていた。
最後に、このクリスタルを戦争で使うことは原則禁止であると、明記してあった……遭難した兵が、生き残るための手段なのだろう、今の俺にはかなりありがたい。
「クリスタル……?」
アリスが首をかしげる、当然だろう、クリスタルで全てができている世界なんて、メルファリアくらいだ。
「俺の世界を形造る全ての源……創生の力の結晶ですよ、これがないと、俺はここでは生きていけないと思います」
そこまで話すと、急に寒くなってきた、なんだろうか?
だがその原因を俺は、すぐに自分の身を持って知ることになる。
「いでぇっ?!」
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