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次の日、珍しく朝練がなく、少し遅い時間に登校した。
「…いやっ…」
バサバサッ
嫌な予感がして下駄箱に体を隠してこっそりと覗くと、
そこには真っ青な顔をした捺がいた。
…なんだ?
捺は靴箱から落ちた紙を一生懸命拾って、
真っ青な顔のままそれらをすぐ傍にあったごみ箱に捨てた。
「・・・・」
「・・・・・」
捺はごみ箱を見ながら数歩後ずさる。
そしてそのまま走ってどこかへ消えた。
俺は心配からか、好奇心からか。
分からない。
分からないけれど、ごみ箱に近寄って、あいつが捨てた紙を見た。
「…手紙?」
それは分厚い封筒が10通以上もあった。
俺は一つだけ封筒を摘み上げて、
中を見た。
「!!??」
バサバサッ
その中には明らかに使用済みだと分かるコンドームの山。
意味が分からなくて、
いや、意味は何となく分かっていたのかもしれない。
ただ、こんなマネをするのは、
いじめにあっているか、
ストーカーにあっているか、だった。
俺はそれを確かめる為に、なるべくコンドームに触らないように別の封筒をつまみ上げて、開けた。
「・・・・・」
嫌な汗がじっとりと纏わり付く。
「なっ…!?」
そこには汚い文字がびっしりと書かれている便箋が入っていた。
その内容は、捺に対する熱烈すぎるラブレターで…
手紙以外にも、隠し撮りをした写真や、
捺の物らしいハンカチや髪止め、
さらには男のもののような髪の毛が入っていた。
「…気持ち悪ぃ。」
吐き気がするのは、怒りからか。
「あいつ…いつからこんな目に…」
手が震える。
頭に血がのぼっていくのが分かった。
絶対許さねぇ…
.
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