消えない気持ち

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俺はその日から登校時間、休み時間、授業が終わってからの時間も、 捺の靴箱付近を見張った。 だけど犯人は中々姿を見せない。 苛立ちが収まらないまま、それから一週間が過ぎた。 俺とあいつは違うクラスだから滅多に顔を合わせる事はない。 だけどたまに廊下ですれ違ったり、教室で友達同士で話しているのを見かけたりしていた。 「あ、そうだ…捺…」 「んー?」 「最近、ストーカー、どうなの?」 「・・・・・」 ある廊下の隅で、捺とその友達が話をしているのを偶然にも聞いてしまった。 「…相変わらず。 前までは学校の靴箱に色々入ってたりしたけど、 最近は家がばれたみたいでさ…」 「え…それって大丈夫なの?親には?」 「親には…忙しいみたいで言えなくて…」 「そんな… あ、私、ちゃんとアンタの事家まで送るから!」 「うん…ありがとう…」 良い友達だな。 なら、安心か。 なんて、その時は油断してた。 .
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