消えない気持ち

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その会話を聞いた放課後、珍しく部活が休みで、 俺はなにも心配せずに帰ろうとしていた。 「…ん?」 ふと、一つの棚の横を通り過ぎた時、 男の妙な荒い息が聞こえた。 まさか… 俺は息を潜めてのぞく。 「…犯人か…?」 予想通り。 捺の靴箱の前で妙に息遣いの荒い男子生徒が立っていた。 また何か入れようとしているのか? そう思ったけど、男は捺の靴箱から、ローファーを取り出していた。 「今日から捺は僕の家に住むんだから。 ちゃんと靴も掃かせてあげないとなぁ。 じゃないと僕の家まで帰れない」 …は? 「ちゃんと気絶させてから閉じ込めたから大丈夫だよね? まぁ靴を持って行ってからゆっくり脱がせて写真取ってあげれば 僕の言う事聞いてくれるよね」 閉じ込めた…だと? 俺は一気に頭が熱くなって、気が付けばそいつを思いきりぶん殴っていた。 「ぐえっ」 男はマヌケな声をあげて倒れる。 その上にまたがり、何度も何度も殴った。 「な、なんだよお前!!」 「るせぇ!こんなカスみてぇな事やりやがって!」 「ぐえっ」 俺は腕を止めずに、男をののしった。
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