消えない気持ち

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間近で見て、やっと気付く。 一つ下の学年で、捺と同じ委員会に入ってる奴だ。 「てめぇ…いつからストーカーやってやがった!?」 俺が怒鳴り散らすと、男はフンッと鼻で笑い出した。 「ストーカー!?はっ…ストーカーなんてやってないさ。 ただ自分の気持ちを伝えてただけだろ?」 「てめぇっ…!」 俺はさらに頭に血がのぼった。 男の首を絞め始める。 すると男は急におとなしくなって、小さな声で「やめてくれ」と繰り返した。 「ならもう止めろ。 それが出来ないんなら、このまま殺す」 男は完全にビビった様子だった。 「やめます!やめますからぁ!!」 俺の手を引っ掻く。 痛みを感じたけど、怒りのほうがまさっていた。 男の顔が酸欠で真っ赤になってきた。 ゆっくり手を離すと、男は苦しそうにむせた。 「・・・・・」 男が息を調え終わり、ようやく喋れそうになった。 「捺はどこだ?」 睨み付ける。 当然、男は怯えながら「理科実験室」だと言った。 ゆっくり立ち上がり、腰を抜かした様子の男に背を向けた。 「あぁ…ちなみに今の、生徒会長に報告しとくから。 そうしたら二度としたくても無理だろ?」 その言葉に男が震えながら息を吸ったのが聞こえた。 「もっ…もうあんな女好きになるか!」 その言葉が可笑しくて、俺は思いきり笑ってやった。 .
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