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毎晩、父の煙草臭い枕に頭を埋めて眠りに落ちた。
僕は守口のマンションの十三階に住んでいた。
毎朝エレベーターで下まで降りて登校する。
集団登校だ。
当時の僕は集団で登校する意味を理解していなかったが、やはり、物騒だったのだろう。
僕は一度だけ、犯人の逃走劇を見たことがある。
学校の手前、公園のすぐ脇に駄菓子の出店が来ることがある。
たまたまその店が出ていて、僕は友達と水飴の色を選ぶのに夢中になっていた。
その時、道路の向こうから轟音と共にバイクが猛スピードで走ってきた。
その後ろを警官が、何か大声で叫びながら自転車で追いかけていた。
バイクは僕らの目の前を走り過ぎ、自転車や車が入れないようにポールが設置された公園の五メートル手前でバイクから飛び降りて走って公園へ入っていった。
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