セキセイインコ

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後から来た警官も自転車を乗り捨てて全速力で公園に駆けていった。 一瞬の出来事だった。 僕は目を見張って、身動きすらとれないでいた。 しかし、僕よりいくらか明るい性格の友達の「スゲー!」という声で我に帰った。 その声を合図にそれまで僕と同じように固まっていた友達数人が興奮した声で一斉に喋りだした。 僕は口を開かなかった。 逆に真一文字に結び、唇を噛んだ。 僕は見てしまったのだ。 人間の、違う姿を。 普段見ることのない一面を。 心臓が早くなりすぎて気持ち悪い。 幼い僕は、大声ではしゃぐ友達の中で一人で黙ったまま胸を押さえた。 幼心には怖かったこの出来事も、しかし今ではちょっとした笑い話になっている。 公園の手前でバイクを乗り捨てなくても、公園を迂回する道路があったのだ。 警官まで律儀に自転車から降りなくても、公園を迂回すれば済む話だったのだ。 自転車に乗ったまま迂回していれば犯人を楽に捕まえれただろうに……。
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