死ぬ。ということ

セキセイインコ

今でこそ笑えるのだが、当時の僕には衝撃的な事件だった。

やはり、物騒だったのだなあと故郷を思い返すことは少なくない。

――僕はマンションの自宅から歩いて五分かそこらにある下島小学校という所に通っていた。
学校での鮮明な記憶はほとんどないが、やはり一つだけ、覚えている事がある。

ある日の帰りの会で担任が真剣な顔で言った。

「学校で飼っているインコが増えて、これ以上学校では飼育できません。……誰かもらってくれる人いるかな？もらいたいって人は帰ってお母さんに相談しておいてね」

聞いた瞬間、僕は最高に楽しい気持ちになり、全速力で家に帰った。

頭の中は、インコが飼える、インコが欲しいでいっぱいだった。