セキセイインコ

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時間を決められ、する事も決められる。 幼い頃の僕はまだ、何かにしばられる事に慣れていなかったのだろう。 ――そうしたクラブや毎日の遊びで僕はすっかりセキセイインコの事など忘れてしまっていた。 そんなある日、不意に母がこんな事を口にした。 「セキセイインコ買いに行く?」 母の中でどんな心情の変化があったのか僕には分からないが、母が動物を嫌いじゃないという事は知っていた。 昔からいろいろな動物を飼ってきた母がセキセイインコの話を一度撥ね付けた理由はどこにあるのだろうか。 僕の記憶にはないが、マンションで栗鼠を飼っていた事もあるという。 僕の記憶にある所で言えば、祖父が拾ってきた蟹や、ハムスターやカブトムシ、更には蟷螂など。 動物に限らず幅広く飼ってきたのだ。
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