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今回の撮影場所はザーフィアス貴族街。ユーリが、兵士2人に石を投げ気絶させるシーンだ。
勿論投げるのは本物の石ではなくゴムで出来た作り物。
「じゃ、行きまーす……アクション!」
ユーリは物陰から顔を出すと、向かって右側の兵士へ石を投げた。しかし届かずその兵士の足元を転がった。
「はいカット。続けていくよ。テイク2……アクション!」
再びユーリが石を投げた。今度は頭上を越えていき、貴族役のエキストラに直撃した。
「カット!ユーリさん、当てるの違うから」
「悪かった。大丈夫か?貴族さん」
「大丈夫でーす」
肩を軽く回し、力を抜くユーリ。その隣でラピードが大きな欠伸をした。
「テイク3……アクション!」
今度は見事右の兵士に当たった。
「よっしゃ」
「カット!ユーリさん、声要らないよ」
「あーすんません」
監督の苦笑い混じりのダメ出しに、ユーリも苦笑いを混じりの謝罪。
「テイク4……アクション!」
今回投げた石は、兵士の近くの壁に当たった。
「カット!」
「なぁこれ俺が投げるんじゃなくて、機械かなにかじゃダメか?もしくは合成」
中々当たらないのでユーリが提案した。
「ユーリさん頑張ってください」
つまりダメだという事だ。
「キャッチボールの成果見せてくださいよ」
「って言われてもねぇ……」
ぼやくユーリだが、撮影は中断せず続けるようだ。
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