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「それに関しては、まあ何とかなるでしょう。それより、如何ともし難い実力の差を埋めない事には、ラッキーパンチも生まれませんね」 簡単に言えば、百回戦って百回負けるのが今の実力差。 これがせめて、百回やれば一回勝てるようになれば、あとはその一回を最初に持ってくるような『秘策』や『強み』があれば。 「ま、どっちにしろほとんど有り得ねえ確率だろうな」 トーマが言う。 ああ、その通りだとレイは感じた。 「一人でダメなら、もう少し人数をかけますよ。あまり増やしても何ですが、もう一人、一緒に戦ってくれるパートナーがいれば、あるいは何とかなるかもしれません」 そうだな、とトーマは首肯した。 シリウスとの戦いについていけるだけのパートナー。 それも、有名な戦士は使えない。 シリウスの不意を衝く人選でなければ、恐らく彼には容易く対応されてしまう。 銀狼や白鬼といった戦士は、もう彼は想定し、攻略しているだろう。 いずれ自分の障害になる事を見越して。 「戦いは別に、必ずしも一騎討ちになるわけじゃねえ。乱戦の隙を衝いて、とかよ、いろいろやりようはあんだろ」 トーマの言うこともっともだ。 もう、なるようにしかならないのかもしれない。 「そうですね。では、そろそろお暇させていただきます。お大事に、師匠」 「おう、せいぜいがんばれや馬鹿弟子」
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