偽りのない花言葉

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復讐してやろうって、思った。 周りのやつらにも、とにかく、俺は全てが嫌で、 全てに変な恨みつけて、 全てを傷つけたかった。 だから記憶喪失のふりをした。 担当の医者とか看護士は、全員俺の親父の部下みたいなもんでさ、 頼んだら困った顔したけど、 了解してくれた。 最初はな、 クラスメイトとかの泣いてる顔見て、 心の中で笑ってた。 罪悪感とか、なくてな。 最悪だろ?俺。 でも、お前だけは俺の前で泣かなくて。 病室に花持ってきて、花瓶入れ替えに行ったその5分間だけ泣いて、 平然とした顔で戻ってきて。 泣いたら俺が困ると思ってた? 前から、変わらなかったよな・・・ お前、俺が困ることは本当にしなかった。 俺の前で泣けばよかったんだ。 泣いてほしかった。 だから、十分以上経っても戻ってこなくて、 やっと帰ってきた時に、 俺、泣かせようとして、 また忘れたふりして、 「誰?」とか、「はじめまして」とか言ったのに。 全然泣かなくて・・・ ただ病室でた瞬間にかすかに泣き声聞こえて・・・ さすがに、もう、その時は、罪悪感感じて、 もういいって、思った。 .
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