狩るモノ、狩られるモノ

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少女は走った。 狭い路地裏を駆けた。 息がきれ、洋服は崩れ、汗と涙で崩れた化粧は、今日の日のために念入りに施したものであった。 「はーい!そこまで~」 少女が向かう先には、待ち伏せていたのか二人の男が立っていた。 「逃げんなよ~鬼ごっこはもう終わり~」 ニット帽と緑色のパーカーを着た小太りの男が口元を歪める。 少女は胸元に抱えたピンクのバッグを握り締め、一歩、二歩と後退りをした。
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