狩るモノ、狩られるモノ

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「いつまでやがってるんだよ!もう正直になれって!」 そう言いながら、小太りの男はスカートの中に手を入れた。 少女は足をばたつかせなんとか振りほどこうとしたが、相手は男四人である。 あっという間に押さえ付けられてしまった。 (いやだいやだ!助けて助けて!) こういう話はテレビや本の中だけだと思っていた。 ましてや自分に訪れるなんて思いもしなかった。 可哀相だとか、運が悪かった。そんな風な感想を抱いていた自分を恥じた。 「お、俺もう…」 黒いポロシャツの男の方から、金具の擦れる音が聞こえた (あぁ、何でこの日に) 少女は目をぐっと閉じ、はを食いしばった。 「あーあ。やだねー。女と見るとこんな糞以下の考えしか持てない奴。」 どこからか声がした。 それも女性の。
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