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…………………………………小さな女の子が、泣いている小さな男の子に笑いかける。
「泣かないで…
あたしは、やっくん、大好きだよ!!」
女の子の言葉に男の子は、照れた笑みを見せる。
―君がいたから、僕は頑張れた…
大人の要望どおりに出来ていた…
なのに……―
「弥斗ー!!
起きて!!」
真昼は、布団に潜り込んでいる弥斗の体を揺さぶる。
「………ヤだ…
眠い……」
弥斗は被っていた布団を力強く握りしめ、体を丸めさせる。
「今日、撮影だってば…
お願いだから、起きて!!」
「真昼が俺の変わりに写れば良いじゃん…
俺は眠いの!!」
起きる気配を見せない。
「無理に決まってるじゃない!!」
必死に布団を引っ張る。
いつも、こんな感じで2人は、朝を迎えていた……………………………………………。
“ムッスー”
無理やり起こされた弥斗は、眉間にシワを寄せ、険悪ムードを漂わせていた。
「ねぇ、弥斗、そんな顔してたら、早く叔父さんになっちゃうよ?」
真昼がなんとか弥斗の眉間のシワを取ろうと頑張るが、
「別に叔父さんになっても良いし…
真昼には関係ないじゃん」
冷たく対応される。
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