ダイジェスト

10/11
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
~共闘、そして~ テレビに写っていたのは、邪教崇拝的なパフォーマンスで有名なユニットSouthen Death Crossであった。 「Suck The World」と銘打った世界ツアーの最後の国が日本だったのである。 血液を用いた陰惨なパフォーマンスをする白髪のレイ・ザ・セカンドと蛇を常に身体に絡めている赤髪のユダ・ザ・ヴァーミリオン。 どちらも性別不詳であるが美形な事には変わりない。 レイがインタビューに答える。 「…我々の存在そのものが背徳で残虐だ…我々は恐れない…我々は…殺せるのだ…」 ポツリポツリと呟く様に発言するレイ。 「そういえばさ、日本にもNOTとかいう過激なバンドがあるって聞いたけど?」 ユダが口元に指を当てて尋ねる。 『ああ…彼等は活動停止状態ですね。ライブハウスから総スカンを食らって…』 インタビュアーの言葉にレイが口の端を吊り上げる。 「…所詮…フェイクか…それしきの事で…ククク…」 「残念だわぁ。ま、日本のバンド自体猿真似ですものねぇ、クスクス」
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!