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きっと今の声は背後から聞こえたものだろう。
そして、恐らく今の凛とした声は…
「…何をしてるのかって聞いてるんだけど」
間違いなく結城 沙織!
最終鬼畜ドS彼女こと、結城 沙織ではないか!
た、助かった…!
とにかく、背中に乗っている凛子さんを何とかしてもらおう!
それが第一だ!
しかし、今は呼吸が困難な状態。
どうやって伝えたものか…
「(結城ッ!後ろの!凛呼さん!何とかしてチョンマゲ♪このままじゃ!オレ!息が出来なくてジ・エンド♪)」
とりあえず、ジェスチャーで伝えてみる。
オレ的には最高にいい感じで表現出来たけど…伝わったのだろうか?
「…なるほど」
おぉ!
伝わってる!オレ天才!
「(早く助けてくれ!)」
「うん」
ニッコリと笑い、スタスタとこちらに歩み寄ってくる結城。
しかし、オレは気付いてしまった…
結城のヤロウ!拳を握り締めてやがるッ!
まさか凛子さんを殴るつもりか!?
「(おいッ!よせ!やめろ!暴力はダメだ!)」
必死でジェスチャーするも、結城はニッコリと笑ったまま止まらない。
マズいだろ!
この人一応先輩だぞ!?
「このッ…」
射程範囲内に入った結城が、握っていた拳を振り上げる。
「(よせぇぇ!先輩だぞぉぉ!!)」
「変態がぁぁぁぁッッ!!」
バキィッ!
「ゴッファァァ!!?」
何故かオレが殴られた。
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