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「ぬぉぉぉッ…!」
強打した後頭部を抱え込むように丸くなり、小さな唸り声を発しながら床を頃がる。
痛いッ…痛いぞぉぉぉ!
気絶しなかった分、痛みが強烈過ぎるッ!
「境君!だ、大丈夫!?」
悶えるオレに、慌てて近寄ってくる凛子さん。
これが大丈夫に見えますか。
そう言いたい所だったが、余りの痛みに声が出せなかった。
「ちょっとアンタ!私の境君に何て事すんのよ!」
オレはいつからアンタの所有物になったんですか。
「それは私の犬よ!主人の私に断りもなくベタベタ近寄らないでくれる?」
ちょ、おまっ…犬て!犬って何やねん!
もはや人類ですらないんですけどッ!
「あぁッ…可哀相な境君!あんな鬼畜女より私と一緒にいた方が幸せになれるわ。ねぇ境君?」
横目でチラリと結城に視線を送り、ニヤリと黒い笑みを浮かべる凛子さん。
何だか危ないニオイがするッ!
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