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「とにかくッ!少し落ち着けよ!」
しかし、そんな言葉も完全に無視され、再び結城は消火器を振り上げる。
何の感情も感じられない、人形のような表情で…
そして何の躊躇いもなく、またそれを振り下ろしやがる。
ドカンッ!
「ギャァァァ!危ねぇッ!死ぬッ!本気で死ぬッ!」
何とか消火器を避けるが、凛子さんを抱えているため、そう長くは避け続けられないだろう…
ていうか…
「お前今オレまで殴ろうとしなかった!?」
明らかにオレ目掛けて消火器を振り下ろしたような…
いや、気のせいか…?気のせいであってほしい!
「えぇ、アンタも殺そうとしたけど…それが何か?」
「ウソでも否定してほしかったぞチクショウ!」
つーな何故オレまで殺されそうになってんの!?
何か気に障るような事したか!?
「………何で」
「は?」
「何で…何でそんなバカ女を庇うの!?そんなにその女が大事!?」
そう叫ぶ結城の表情は、とても複雑そうな顔をしていて…
強い罪悪感に襲われた…
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