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廊下のど真ん中で見事な土下座を披露するオレ。
幸い、周囲に人影は見当たらない。
「何かオレェェェ!調子にのってましたぁぁ!本ッッ当にサーセンっしたぁぁぁぁ!!だから許してちょんまげ♪」
「…ナメてんの?」
「ウソです。ごめんなさい。許してください」
ちぃぃ!冗談の通じない奴めッ!
だがしかしッ!
このようなパーフェクトDOGEZAを見せられて心が痛まない奴など、この世に存在する訳がない…
もしもそんな奴が存在するとすれば、そいつは鬼か悪魔…
グシャッ!
「ぅブフッッ!!?」
「なぁに?聞こえなーい」
悪 魔 は こ こ に い た !
あろう事かこの女ッ…!
深々と頭を下げる人間の頭を、何のためらいも無く土足で踏みつけやがった!
「その程度で私が許すとでも思ったの…?」
顔は見えないが、きっと恐ろしく黒い笑顔でオレの後頭部を踏みつけているんだろうなぁ…
「いいこと?アンタは私の奴隷、つまり犬…」
ボソリと、重い声が響く…
「それなのに、アンタときたら…」
序所に声色が変わり、怒りのこもったような声へと変化し始める。
オレを踏みつける力も、強まってきている気が…
「他の女にデレデレとッ…」
ギリッ…
「ちょ…痛い!痛いぞ結城!ギブッ!マジでギブゥゥゥ!」
これは冗談じゃないと思った…
これ程までに感情を表に出す結城を、オレは今まで1度も見た事がなかった…
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