明日から夏休み!の!ハズでしたがッ!

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「ダメよッッ!」 「…ん?」 「…は?」 両手の拳にグッと力を入れて鼻息を荒くする小池。 しかし、小池の「海に行こう」という誘いに返事をしたのはオレではなく 「ダメよ。海なんて」 我が主人である、結城 沙織殿でした。 どこから湧いて出たのか… 「…何でお前が決めてんだ」 「私だからよ」 意味わかんねーよ! ジャイアニズムにも限度ってもんがあるだろーが! 「あのなぁ!お前…」 「黙りなさい。アンタは私が好き。なら夏休み中はその好きな異性のため、その子に奉仕し続けるべきよ!」 「ちょ!おまッ…何言って」 何を言い出すかと思えば、この女ッ…! わざとデカイ声でッ…! 「という訳で、夏休みはずっと私のためだけに動くこと。オーケー?」 「どーいう訳だぁぁぁ!!何が「オーケー?」だよッ!ふざけんな!」 理不尽!あまりにも理不尽ッッ! ただお前の事が好きだからという理由だけで、オレの夏休みが丸々潰れるというのか!? 冗談じゃねぇ! 「何?それともアンタ…あの日の学校で私の事が好きだと言ったあれは嘘だとでもいうの…?」 「いやッ…確かに言ったし…ウソじゃねぇ……けど…そ、それとコレとは話が違」 「なら夏休みは私に付き合いなさい。じゃあね」 こうして、何の反論も出来ぬうちにオレの夏休みは無くなってしまった。 何故オレはあんな女に惚れてしまったのだろう… そんな後悔を胸の奥にしまい込み、オレは席に戻… 「…リア充死ね」 「…ん?」 何だこの怨霊のような声は… 「リア充死ねぇぇぇぇぇ!!唸れ!オレの右ストレートォォォォ!!」 「こ、小池ッ…ウボアァァァッッ!!?」 小池の右ストレートが見事にオレの顎を打ち抜いてくれました。 今日は厄日だ…
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