鬼の生徒会長

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「ふぅ…ご馳走様でした」 飲み終えたティーカップを、トレイに戻す。 ふむ。美味かった。塩味紅茶。 「では、飲み終わったカップを洗ってきますので、少し雑談でも楽しんでいてください」 人数分のカップが乗ったトレイを持ち、奥の部屋へと姿を消す時雨さん。 ふむ、本当に出来過ぎる人ですね。 もう尊敬を通り越して崇めたくなってきました。 「いやぁ。しかし、副会長の淹れる紅茶はうめぇよなぁ」 ソファーでくつろぎながら、満足そうに呟く冬真さん。 全くですね。 「そうよねぇ。副会長の紅茶を一度飲んだら、店の紅茶が飲めなくなっちゃうのよね」 凛さんも同意のようです。 いい加減にくっつくの止めてください。 結城が…結城の視線が痛い…… 「…2人の趣味って何なんだ?」 と、いきなりにも程があるでしょって感じで、質問をしてくる冬真さん。 趣味…ねぇ…… オレはとくに無いし… 結城は…どんな趣味持ってんだろ? やっぱり女の子らしく、オシャレな洋服集めとか、ネイルアートとか? 「格闘」 うそーん。 そんなの初耳。 予想外。 いや、予想外過ぎるでしょ! 年頃の女子高校生が 「趣味は?」 って聞かれて 「格闘デス♪」 って… お父さん涙目。 そんな娘を持ったお父さん涙目だよ。
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