5539人が本棚に入れています
本棚に追加
/510ページ
ギアをドライブに入れ、発進しようとしたその時、……異様なモノが目に入ったからだ。
そう。目の前の、今まさに、これから通過しようとしている踏切の線路の上に……。
膝から下の子供の足だけが、裸足の子供の足だけが…いるのだ!
B子さんは、自分の目を疑った。…もぅ一度ソレを凝視した。
しかし、やはり、ソレははっきりと見えるのだ。
B子さんの全身に鳥肌が立った。
『逃げなきゃ…』
…ゆっくりとギアをバックに入れ、後ろへ下がり始めたその時……
その足が、こちらへ向かって…歩いて来たのだ!
『ウソでしょ?…ウソよね?…やめてよ、こないで?……こないで!イヤァーー!』
目の前の有得ない恐怖から、必死に逃げようと、アクセルを踏み込んだが、車はタイヤが空回りするだけで、動いてくれない!
『あっ!あっ!やめてよ!こないで!こないで!こないでーーー!』
車の中で、叫び声を上げながら、必死にアクセルを踏む。
しかし、ソレは、確実に近付いて来た。
最初のコメントを投稿しよう!