バレリーナの左脚

3/6
5539人が本棚に入れています
本棚に追加
/510ページ
……いいんですね?…後悔しないで下さいね?…                             小さい頃から、一流のプリマドンナを目指して、日夜努力している女の子がいました。 仮にK美としましょうか…。               彼女は毎日深夜までレッスンをこなし、自分の持てる全てをバレエに注ぎ込んで来ました。 しかし、世の中には、つまらない妬みや嫉みがいつも渦巻いています。 …彼女も、例外なく、嫉妬の対象になってしまいました。               夏の定期公演が近付き、選考会が開かれました。 K美とF歌はライバル同士。 特に気にも留めてなどいないK美に比べ、F歌はいつも自分より上にいるK美が目障りで仕方なかったのです。               …選考会終了後に、その事故は起きました。               K美が自分のステージを踊りきり、楽屋へ戻ろうと歩き出したその時!               …上から落ちてきた照明が…彼女の左脚を直撃したのです。               …彼女の左脚は…潰されてしまい…もぅ…2度とバレエを踊ることは…不可能と…診断されました。               ……自分の全てを失ったと……その夜…               病院の非常階段から屋上へ出た彼女は               …まるで、最後の舞を舞うように…飛び下りました……              
/510ページ

最初のコメントを投稿しよう!